ナレーションやインタビュー等、言葉による説明 を一切排し、ひとつの四角い木の塊が削られ、剥がされ、次第に表情を帯びていく様をひたすら見つめ続ける。沈黙の作業空間に、ただ鋭利な刃物が木を刻ん でいく音だけが静かに響きわたる。

 完成した面(おもて)は能楽師、中所宣夫の元に届けられ、上演を迎える。装束をまとった最後に、新井達矢の打った面がつけられ、そして舞台。
演目は『鞍馬天狗』。まるで生きているかのように表情が変わる。舞台の上で演者の「顔」となってこそ、そこには命が宿る。

 上映後は映画『面打』で能面を制作した新井達矢氏によるギャラリー・トークが展示室(ゆとろぎギャラリー)で開かれる。氏が制作した面に囲まれ、新井達矢氏によるトークを楽しんでください。
2006.10/8(日) 13:00〜14:00
ドキュメンタリー映画『面打/men-uchi』

三宅流  映画監督。

 身体表現をモチーフにした『蝕旋律』がイメージフォーラムフェスティバル、キリンアートアワードにて受賞。イモラ国際短編映画祭(イ タリア)、Mediawave2002(ハンガリー)等で上映される。フランスの思想家モーリス・ブランショの『白日の狂気』をモチーフにした『白日』 はモントリオール国際映画祭ほか、フランスや韓国の映画祭で上映される。過去の作品は海外十数か国で上映され、いずれも高い評価を得る。


新井達矢 面打。

 現在、東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻に在籍。7歳より、面を彫り始める。故・長澤氏春氏に師事。2005年、国民文化祭ふくい 2005「新作能面公募展」において最高賞「文部科学大臣奨励賞」を受賞。

中所宜夫 観世流能楽師。

 観世九皐会、名古屋九皐会、緑泉会において活動。「中所宜夫能の会」を主催。バハレーン、香港、イギリス等の海外公演にも参 加。また、実験的能公演「能楽らいぶ」を継続的に行い、宮沢賢治原作に基づく新作能「光の素足」を創作するなど、古典、実験双方において意欲的な活動を 続けている。

プロフィール
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企画・運営 ゆとろぎ協働事業運営市民の会 TEL 042-570-0707
Copyright (C) 羽村市生涯学習センターゆとろぎ協働事業運営市民の会
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Copyright (C) 撮影 村山利夫
 写真の転載はご遠慮ください。 
ゆとろぎ 小ホール(入場無料)

-沈黙の中に刻みつけられる音-

 ドキュメンタリー映画『面打/men-uchi 』は22歳の若手面打、羽村市在住の新井達矢が一つの能面を制作し、能楽公演に使用されるまでをとらえた映画である。


監督:三宅流(みやけ・ながる)
整音:種子田 郷
出演:
新井達矢(面打)・中所宜夫(観世流能楽師)・津村禮次郎(観世流能楽師)
カラー60分